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障害のある方の施設での事件のニュースを見て… [思ったこと]

障害者施設での計画的な大量殺人のニュースを見て
殺人は重罪ながら、腹立たしい、意外だった、という報道ばかりで
虐待死の事件と同様、なんでそこまでのことを実行してしまったのか、
犯人がどういう心境でこの事件を起こそうとしたのか、
遺族の方々には申し訳ないけれど考えてました。

ニュースを見ると、犯人は
障害者施設で働いている中で
複数の種類の障害を併せ有する重複障害者が
「一生縛られたまま」であったり
「家族と断絶状態の人もいる」ことに触れて衝撃を受けて
安楽死させた方が家族にとっても幸せなのでは…という思想に至り、
それを実行してしまったということがわかった。

私は障害者施設のことは詳しくないけど、
犯人の言うとおり
家族にとってお荷物で施設に任して断絶状態の利用者の方もいるかもしれないが、
家族にとってはかけがえのない存在だけど
事情があってやむなく施設に入っていた…ということもあるかもしれない。

何より安楽死と言っても、
本人は障害を不幸と思っているかどうかもわからないし、
たとえ家族と断絶状態でも死を望んでいないかもしれない…

何も罪のない人を自分の勝手な判断で殺したことは決して許されないことと思う。
しかし一方で障害者施設で働くということが想像を絶するほど大変なことなのかもしれないとも思う。

介護をしている人が介護疲れで相手を殺してしまうこと、
育児をしている人が育児疲れで子供を殺してしまうこと、
許されないことだけど、その判断ができないほど、
できていたとしてもそこを超えてしまうほど、
極限まで追い詰められている何かがあるんじゃないか…と想像する。

もちろん、それを言い訳には出来ないけど
環境の中で、自分が我慢できる範囲を超えることってあるし、
そこで感情のコントロールができない精神状態になることに関して
責めるだけでは解決にならないと思う。

私の友達に高齢者施設で働いていた人がいる。
その子は、優しくて明るくてよく気がつく思いやりのある
いわゆる性格の良い子だけど、
勤務中に高齢者に暴言を吐いたことで解雇になってしまったそうだ。
彼女は自分が暴言を吐いたことに非常にショックを受けていた。

でも、私は意外ではないと思った。
何をされても許せる…という程
神様みたいな人なんていると思うのが幻想だと思う。

介護は体力的にも精神的にもとてもハードな仕事だし、
その中で利用者さんに暴言を何度も言われ続けたり、
認知症が進んでいる方に攻撃的にされたりしても
明るく働ける職場であることのほうが珍しいと思う。


自分の子供相手の育児だって
追い詰められている状態だったらどうなるかなんて誰にもわからない。
事件を起こしてしまうのが鬼のような人ばかりなわけじゃないと思う。

健診の時に市役所の人から
育児のサポート環境とかママ友の有無とか色々なことを聞かれるが、
どんな人にも状況・環境によってどうなることもあり得ると思う。
ドラマの「Mother」で虐待していたお母さんも
もともとは子煩悩の明るくて頑張り屋のお母さんだったけど、
色々な要因でどんどん生活が変わっていってしまっていた。


たとえ介護を志した人でも、
障害者のことを考えて仕事についた人でも、
中の環境によってどうなるか、その人でないとわからないことはたくさんあるんじゃないかと思う。

今回の事件の犯人を擁護したいわけじゃなくて、
信じられない、許せない…と報道しているのを聞いているだけでは
なんだか違和感があったので自分の考えを書いてみたくなりました。


もし自分が自分で判断できない状態になって生きているのが辛かったら
人生を辞めたいと思うかもしれない。
でも、安楽死したい、と伝えられるかどうか…
安楽死したくてもさせてもらえる環境にあるかどうか…

今回の犯人はとても勝手だと思うが、
出生前診断を受けてお腹の子供の障害がわかった時に堕ろす親は90%を超える…というデータを知って
きっと子供の将来や自分が死んだ後のことまでよく考えて決断したことなのだろうと思うので、
その判断自体は責められることなのかどうか、わからない。

かといって、産まれてきた子供が障害を持っていたら不幸だ…と決めつけるのも
すごく強引で勝手だと思う。想像でしかないので綺麗事かもしれない…

宗教によっては、障害も神様からの預かり物・プレゼントだ…という考え方もあるようだ。
自分で命を選択できるような時代になってしまったからこその
問題なのかもしれない。













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